分離型キーボードで親指シフト(NICOLA配列)を試す(Majestouch Xacro M10SP JIS配列)
昨年10月以降、巷ではHHKB Studioが話題になっていますよね。実際、PFUの販売計画を超える大変な売れ行きみたいです。秋葉原に行った折に遊舎工房で触ってみましたが、ファーストインプレッションとしてはいい感じでした。私はThinkPadも使っていてトラックポイントキーボードに馴染んでいますので、興味があるところです。
同時期に発売されたキーボードとして私の興味を引いたのが、ダイヤテックさんから販売されているFILCO Majestouch Xacro M10SPです。FILCOブランドとして最初の分離型キーボードでしょうか。分離型キーボードは、自作キーボードとしては結構出ていますが、FILCOブランドを冠して販売されたというのが大きいと思います。これから分離型キーボードの認知が広がるかもしれません。
最近、私も分離型キーボードに興味が湧いてきていたところでした。これまでJISの分離型キーボードとしてはMistelのBAROCCOシリーズがありました。私は使ったことはないですが。「6」キーや「B」キーが左右のどちらにあるべきかというのは、分離型キーボードの一つの課題で、MD600JPは「6」キーが右側にありましたが、後継のMD770JPは左側に来ていて、どうしたものかと思っていたわけです。先日発売された Majestouch Xacro M10SPは、左右境界にマクロキーを配することで、この問題を解決しています。
私は、ここ1年半ほど親指シフト(NICOLA配列をカスタマイズ)入力を継続しています。ソフトウェアインストールに制限がある環境も利用する必要があり、また、WindowsとMacを行き来したり、キーボードも複数ありますので、これらの環境の違いをうまく吸収するために、かえうち2を使って親指シフト入力しています。
過去に以下の記事を書きました。
Apple Wireless Keyboard を HHKB Professional Hybrid Type-S に変更して、ついでに親指シフト(NICOLA配列)に挑戦してみた
FILCO Majestouch MINILA-R Convertibleを導入して、親指シフトも試してみた
かえうち2を導入してみた
HHKBと親指シフトの組み合わせに関する記事はネットに散見されますし、情報がネット上に結構あります。
Majestouch MINILA-R Convertibleとorz配列は実は相性が良くて、Majestouch MINILA-R ConvertibleはPatch Keycapを採用していて、キーキャップのキートップとベースが分離して組み合わせることができるため、FILCO Majestouch MINILA-R Convertible レビュー(orz配列・親指シフト用カスタマイズ)にありますように、orz配列のキートップ表記とFnキーと同時打ちのキー表記がされているベースを組み合わせたキーキャップを作成することができます。もっとも、私はorz配列を使っていないのですが・・・
Majestouch Xacro M10SP (以下「M10SP」と表記)が発売されたことから、自分へのご褒美と思い、昨年末に思い切ってこのキーボードを購入しました。肩や背中の凝りをなんとかしたいという思いもあり、試してみたかったんですよね。スペースキーがいい感じで左右に分離されていることもあり、親指シフトに都合良くない?という興味もありました。
M10SPとHHKBのサイズ感比較がこちら。
マクロキー2列分だけM10SPの横幅が長いです。HHKBは60%キーボード、M10SPは70%キーボードになります。
Majestouch Xacro シリーズは、キーに柔軟なキー割当やマクロ登録を可能とした製品です。ソフトウェアによるキー割当とハードウェアで完結する割り当てが可能です。とりあえず、ハードウェアマクロ設定することにしました。
まず、「6」キーが左側キーボードにあるので、右側のマクロキーM6に「6」キーを割り当てます。ついでに「6」キーのキーキャップと「M6」キーのキーキャップを入れ替えてしまいました。
Layer 1 は、M1-M8キーのみキー割当が可能になっているので、本格的なキー割当をLayer 2 に対して行いました。
先程したように、「M6」キーへ「6」キーを割り当てました。
右スペースキーに「変換」キーを割り当てました。
「M10」キーにReturn(Enter)キーを割り当てました。
「M5」キーにBackSpaceキーを割り当てました。
親指シフトキーとして、右スペースキーに右親指シフトキーを、左スペースキーに左親指シフトキーを割り当てました。
「M1」〜「M4」、「6」(下の写真では「M6」キーのキーキャップが嵌っています。)、「M7」〜「M10」に「F1」〜「F8」を割り当てました。これは、私が日常的に多用しているソフトウェアの事情に依ります。
以下、雑感など。あまり体系だてていないですが、ご容赦を。
左右分離されたスペースキーに親指シフトキーを割り当てた操作感はやはり良好。親指シフターにお勧めできます。
左右分離型キーボードを使ってみて右側のキーボードが大きくなっているのをみると、右手へのキー割当が多いことを再確認できました。特に、Return(Enter)キーやBackSpaceキーがホームポジションから遠いことが視覚的に実感でき、これがorz配列の一つの効果になっています。「M10」、「M5」に各々Return(Enter)とBackSpaceを割り当てたのはそのような理由があります。もっとも「M5」のBackSpaceは少し悩んでいて、親指シフトの「後退」と重複感を感じますし、viやemacsを使っているとEscキーの利用頻度が高かったりしますので、今後変更するかもしれません。そうはいっても今そこそこ快適に感じているのでこのままでいくかもしれませんが。
キー底打ち時に金属音がします。ダイヤテック社のWebサイトでは「シリコーンシートを挟み静音対策」とありましたが、筐体の構造が変わったからか金属音を抑えきれていないところは少し残念。気になる人は気にすると思うので、敏感な人は購入前に試し打ちすることをお勧めします。
左右分離型キーボードではありますが、標準配列に近いので移行コストは低いと思います。ホームポジションを中心としたタッチタイピングができている人は、分離型キーボードに移行しても打ち間違える懸念はあまりないと思います。手の相対位置でキーの位置を覚えちゃっている人はその限りではないかもしれませんが。
私は「6」キーは右手担当だと思っているので、この左右分離の境界面にマクロキーを持ってきた方法はヒットだと思います。境界面のキー割当を調整することが可能ですから。
これまではラップトップPCを使うときに、いわゆる尊師スタイルで使ってが、このキーボードですとPCの両脇にキーボードを配置することになるので場所は取りますね。これは分離型キーボードを使う際のトレードオフなので、キーボードのせいではありませんが。そういうわけでこれまで使っていたキーボードがお払い箱になることはないようです。使用場面場面で出番があることでしょう。
ダイヤテックさんには、ぜひ後継機を出し続けて欲しいですね。(この手の製品はキワモノで終わりがちなので)
# 今のところ、肩と背中の凝りの改善に繋がっている実感はないのですが、今後改善するといいですね。
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